「レイド練習会を実施することは決まったが、当日にどのように振る舞えば良いのか分からない。」
「相手に嫌な思いをさせてしまったらどうしよう。」
そういうあなたに向けて、トラブルになりにくい環境づくりの方法を3つのルールとしてまとめましたのでお教えします。
このルールに従って行動できれば、練習会のトラブルを大きく減らすことができるでしょう。
そして、参加しているメンバーの技術習得も早く行われることでしょう。
ぜひ身につけていただきたいと願います。
概要
練習会の目的
まず大前提の話ですが、練習会の目的は何でしょうか?
それは、
「レイドボス討伐までの『過程』を安定させること」
です。
あなたが練習会を行っている時に大切なこと
- 目的を明確にする
- 褒めて伸ばす
- 失敗は一緒に考える
目的を達成するための3つのルール
- レイドをクリアしない
- 相手の良かったところを伝える
- 相手の失敗は責めない
ではそれぞれを深堀りしてゆきましょう。
クリアしない
レイドの練習はなぜ行うのでしょうか。
最終的な目標は「クリアすること」のはずです。
ではなぜ練習会ではクリアしてはいけないのでしょうか?
練習会の構造
まず、練習会の目的とそのための手段を明確にしましょう。
目的と手段はそれぞれ以下のはずです。
目的:クリアまでの過程を安定させる
手段:ギミックを練習する
この構図をしっかり理解しておきましょう。
クリアしない理由
クリアしてはいけない理由、それは
「クリアすることが目的」
になるからです。
もうちょっと詳しく書きます。
クリアすることを目的とした結果、
本来練習で覚えるべきギミックの処理や対応を学ぶという目的から逸れてしまいます。
その結果「クリアしたから(立ち回りに不備があっても)問題ない」となってしまいます。
(目的を達成しているので、別に問題はないですよね)
なので、参加する人の中にクリアを目的にする人は混ぜてはいけません。
クリアすることを目的にするパーティの目的とその手段は
目的:クリアする
手段:ギミックを(出来ること前提で)処理する
になっていますよね。
練習会が目指す構図とは異なっていますね。
結論
「クリア自体を目的にしない」ということに注力してください。
良かったところを伝える
これが出来ていない人の多くは、能力が高く「当たり前に出来る人」です。
一方で練習会の目的は「出来ないことを出来るようにすること」です。
なので練習している人にとっては、当たり前のことではないのです。
もしかしたら「良かったところを伝えたところで立ち回りが変わるのか?」と思うかもしれません。
そこで、伝えるべきであることを説明してゆきます。
相手は何が良くて何が悪いかもわからない
相手は「どのような立ち回りが良くて、どのような立ち回りが悪いか」もよくわかっていないです。
説明はしているので多少は理解しているでしょうが、「本当に練習で動いたあの動きで良いのか」という確証は持てていない段階です。
なので、さっきの立ち回りは良かったよと伝えてください。
相手が思い浮かべている「さっきの立ち回りは良かったのか?」という疑問を、
「この立ち回りでOK!」という解決に導くことが出来ます。
承認欲求を満たす
感情的な部分でも、良かった点を伝えることは有効です。
ざっくり言えば、褒めたり認めたりすることはやる気を引き起こす。
もうちょっと詳しく知りたい場合は、「ピグマリオン効果」や、「ミラーニューロン」で調べてほしい。
逆説的ではあるが、
- 「失敗は指摘し、成功したら『手順通り捌けたねー』と言ってくれる人」
- 「失敗は指摘し、成功しても何も言わない人」
どちらとずっと練習していたいかを想像してほしい。
多分こう思ったのではないでしょうか、
「一言あるだけでも印象は違うな」と。
実際は{この場面のこの動き}が特に良かったよーとかでも全然いいんです。
一言添えることだけで、練習会全体の空気が変わります。
結論
- 成功したら褒める。
- すでにギミックなどを当たり前にできてるような人ほど陥りやすいので、
そういう人は特に気をつける。
相手の失敗は責めない。
失敗は伝えなければなりません。
しかし、失敗を責めてはいけません。
ではどのように失敗を指摘すれば良いでしょうか。
どのような人の意見を聞き入れたいか
残念ながら、人間は感情で動く生物です。
言葉の意味より感情が優先されるので「責める、嫌味を言ってる」人の言うことは聞きたくなくなります。
そのため、前提として否定的な言葉を使えば使うほど、信用が落ちてゆき、
モチベーションが落ちてゆきます。
失敗の伝え方
では具体的にどのように伝えるの?
テンプレを3パターン伝えますのでそのままマネしてください。
検討するという姿勢で
シチュエーション:そもそも手順を守ってくれない時の指摘の仕方
例えば「A→B→C」を行うという手順のギミックを処理するとします。
「さっきの手順には、ちゃんと理由もありましたよね、
手順があるならそれを守ったほうが良いと思うんだけど、どう思う?」
これで相手は責められてるわけでなくて、困惑している感じに受け取ってもらえます。
守ったほうがいいねと同意したなら、同意でよいですし、
守らないほうがいいと返答が来たなら、
「どうしてそう思うの?と聞いてあげてください。」
そして、「納得」をさせてあげてください。
相手に寄り添う姿勢で
シチュエーション:特定のギミックで失敗してしまう場合の指摘の仕方
例えば「A→B→C」を行うという手順のギミックのBで失敗するとします。
「Aギミックまでは上手に出来てたね。
Bギミックの失敗について一緒に考えたいから、どうして失敗しちゃったかを聞いてもいいかな。」
ここで重要なのは、
- できてるところは必ず先に褒める。
- 責める意味ではないことを明言する。
(『一緒に考えたいから』は汎用性が高いので、悩んだらこれにしています。) - 終わりは疑問形にして、相手に選択の権利を与えましょう。
これで、A→Bのときにどのようなことを思っていたかとかを相手は答えやすくなります。
具体的に自分が喜ぶと伝える
シチュエーション:特定の行動を促さないといけない時。
例えば「A→B→C」を行うという手順Cを促すとします。
「Bギミックまでは出来てたね。おかげで自分も楽に動けたよありがとう。それでね、『C』を行うと自分は{こういう状態に}なって嬉しいから、
『B』が終わったら『C』をしてくれると嬉しいな。」
ここでも出来てるところを認めていますね。
そして、行動を促す時には「相手が喜んでくれるから動こう」と思わせることのほうが手軽でよく効きます。
これは「自分自身が喜ぶことより、相手が喜んでくれた」という感情の受け方が大きいから。
なぜ大きいかというと、「自分のために動いた自分より、相手を喜ばせてあげた自分」という姿のほうが自己評価が高いから。
これで、相手は「自ら進んで」行動を取りたくなります。
結論
検討するという姿勢:手順を守らせるのではなく、納得させる。
相手に寄り添う姿勢:責めるのではなく、ともに解決する。
具体的に自分が喜ぶと伝える:命令するのではなく、促す。
まとめ
練習会を実施している中で大切なことは、
- 目的を明確にする
- 褒めて伸ばす
- 失敗は一緒に考える
いかがでしたでしょうか。
レイドコンテンツは複数の人が関わりあい、協力するコンテンツです。
練習会は自分と「相手」の失敗を改善する場所であるため、否定的な言い方をしてしまいそうになる場面が多くなりがちです。
そのようなときでも伝え方一つで印象と団結力が変わりますから、
ぜひ相手に優しくなれる練習会を実施してください。