「オンラインゲームをする際に、ギミックの練習会をしようという運びになってしまった。」
「自分が主催を受け持ったはいいが、どのような練習内容にしたら良いのかが分からない。」
そういう練習会などの経験がない人に向けて、今回は3ステップに分けて練習内容の設定方法を説明してゆきます。
そして設定した内容で説明してゆく際のコツも一緒にお伝えします。
概要
練習会の主催がやること
- 練習の目標を明確にする
- 練習の手順を明確にする
目標の決め方
【1】何ができるかを知る
【2】何が出来ないか知る
【3】できることから3ステップ先を「目標」として並べる
説明の仕方
- 目的
- 理由
- 手順
この3つを必ずワンセットで伝えること。
目標の決め方
練習での目標は、記憶できる手順の範囲で実現できるようにしなければならない。
なぜならば、記憶して実行するから目標が実現できるというのに、
そもそも記憶できないなら実行できないからだ。
なので、手順を記憶できる範囲で目標を決める必要がある。
今何ができるかを知る
これはなんとなくてもいいので、
現在クリアできること(ギミックとかフェイズとか)をちゃんと調べておく。
調べておく理由は、スタート地点を確認することで無茶な目標設定をしないため。
例えば
「フェイズが『1~3』まであるとして、
フェイズ『3』の説明をしたいのにフェイズ『2』を突破するだけの練習量も足りない」
みたいな感じ。
これは極端だけど、細かいところで前提条件忘れてるのはやりがち。
今何ができないかを知る。
何を出来るようにしたいかという方向性だけを決めます。
これを「願望一覧」として3つまで用意します。
- 「A」ギミックの攻略
- 「B」ギミックの攻略
- 「C」ギミックの攻略
ここでは大きなくくりにしておくとよいです。
これを決めてないと、大海にいかだを漕ぎ出すみたいなことになります。
なぜこれが「目標」ではなくて「願望」なのかは次でわかります。
3ステップ先を「目標」として並べる。
願望から、1回の練習会で出来る内容に落とし込む。
大体1つの会での目標は3つまでにする。
落とし込む方法は
【1】願望リストの中で達成したい願望を1つ取り出す
【2】行うべき動作に切り分ける
【3】「3つまで」の動作を1つの目標にする。
【4】「合計3つの目標」が作れたらおわり。
では、なぜそれぞれ3つまでなのでしょうか?
なぜなら、人が覚えていることができるのは「3つまで」だからです。
これは、2001年にネルソン・コーワンの論文により、人間は短期記憶では”4±1個”を覚えられると提唱しています。
わかり易い例は
「000-1234-5678」
電話番号はこの覚えられるのは3つまでというルールを意識して、
11桁が区切られています。
なので、3つの動作で出来ることを1つの目標として作ってください。
例えばギミック処理に5つの動作が要求されてるなら、
「まず1、2、3つ目の動作が出来ること」が1つ目の目標
「4、5つ目の動作が出来ること」で2つ目の目標になります。
そしてこの目標も3つまでにしておくのをおすすめします。
練習直後では短期記憶に入っているので、これも増やし過ぎたら忘れるからです。
少なく感じるでしょうか?
この練習量を電話番号に置き換えると
α部署の「A」さん職場「000-1234-5678」
α部署の「A」さん携帯「114-00000-514」
α部署の「B」さん職場「0000-1919-810」
を覚えてる感じ。
これ以上を1回の練習で詰め込むのは求めすぎでしょう。
それよりは、反復練習して確実に思い出せるようにするほうが有意義だと思います。
そして3つを安定してできるようになったら、
また3つまでの目標を追加したらいいんです。
説明の仕方
わかりやすい説明をすること
説明をする時に、説明する相手が「なんでその動きをするの?」とならないように気をつけます。
何故なら前提となる知識がないので、
手順を説明されてもなぜその手順になるのかが理解できないからです。
なので、
【1】目的を述べる
【2】理由を述べる
【3】どうしてほしいかの行動(練習する動き)を述べる
という構文にします。
例えば
「風が吹くから桶屋をして儲けよう。」
なんて言われても、なんで桶屋が儲かるのかわからないですよね。
理由がないからです。
理由部分をきちんと、説明してゆきます。
【1】風が吹けば砂埃が舞い上がる。
【2】砂埃が舞い上がったら目に入って視力が悪い人が増える。
【3】視力が悪い人が増えると三味線が売れる。
【4】三味線に必要な猫の皮が必要になるので、ねこが捕獲されます。
【5】ねこが減ればネズミが増えます。
【6】ネズミが増えれば桶がかじられます。
【7】桶が壊れるので、桶の需要が上がります。
【8】なので桶屋が儲かります。
これなら、わかりやすいですよね。
なので、必ず理由はつけることを意識してください。
分かりやすくないとダメな理由
何故なら、理解ができないものより理解が出来るもののほうが覚えやすいから。
そして逆を言えば、
「脳は理解できないことは無視しようとする性質がある。」から。
例えば
2つの「」で囲ってある数字を覚えてください。
「2.2836801」を覚えてください。
「3.1622776」≒√10で√の大小問題を解くのに便利だから覚えてください。
語呂合わせとして(債務にフナなーむー)などが有名です。
覚えましたか?
では、どちらが覚えやすかったでしょうか。
多分「3.1622776」ですかね。
ちなみに語呂合わせですから厳密には理屈ではありません。
ただ、補足情報を足して、意味のある数字として記憶させただけです。
意味のない語呂合わせですら記憶への定着に差が出ているのですから、
これで理屈まで通っていれば覚えやすいですし素直に覚える気にもなります。
ちなみに後半の数字も「にいにハンサムやおい」みたいな感じで適当に語呂合わせを作ったら、覚えられたりします。
理解ができないものより理解が出来るもののほうが覚えやすい。
説明は丁寧に、必ず理由はつけましょう。
まとめ
「目標は覚えられる数、3を意識して組み立てる。」
「練習する単位も1つあたり3ステップにする。」
なぜなら、人は3つまでを自然に覚えられるから。
「練習する動作の説明は理由をつける。」
脳みそは理解できないことは無視する性質がある。
最後まで見ていただいてありがとう。
練習の段取りを決めるのは苦労するだろうけど、
頑張ってください。